【第二次世界大戦】全世界で8千万人もの犠牲者を出した史上最悪の大戦

明治~現代

第二次世界大戦とは1,939年9月1日、ドイツのポーランド侵攻を原因に始まり世界規模の戦争へと発展した大戦です。それ以前から始まっていた日中戦争(支那事変)太平洋戦争(大東亜戦争)に含まれ、その太平洋戦争は第二次世界大戦に含まれるという概念です。

1,945年9月2日、日本の降伏文書への調印により正式に終了。第二次世界大戦の全世界での死者数は約5,000万~8,000万人といわれ、これは当時の世界人口の約2.5%との事です…って感じで前置きが長くなりましたが

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日本にとっての第二次世界大戦は太平洋戦争となり、これは中国と、また東南アジアを植民地支配していた米英などとの戦争です。しかし全体を見れば日本を含むドイツとイタリアの三ヶ国を中心とした枢軸国と、米英を中心とした連合国との戦争となります。

東洋・太平洋地域で日本が連合国と戦っている時、ヨーロッパでも戦火は広がり激化していました…

大戦前の情勢

第一次世界大戦で敗北したドイツはその後に締結したベルサイユ条約により、領土の割譲や軍縮などの屈辱的な条件を飲まされます。

特に戦争賠償金については完済したのがなんと2,010年といわれ、完済までに約90年もかかりました。

ドイツはこういった事に苦しめられ、やがて民族主義を掲げたヒトラーが台頭。そのヒトラーのナチスがドイツ政府を掌握していきます。

なんていうか…、デジャブ?

第一次世界大戦の前も、新たに国王の座に就いたウィルヘルム二世が汎ゲルマン主義という民族主義を掲げ、直接の戦争勃発の原因ではないにしても勢力の拡大を図りました。

アメリカから始まった世界恐慌でヨーロッパも混乱する中、ヒトラーは失業者対策として、アウトバーンの建設や条約違反となる軍備の拡張を行います。これにより若く元気な男性に雇用が生まれる訳です。

ドイツ国民からの支持率も上がっていきますが、ヒトラーは演説で民衆の心をつかむのが上手かったという話があります。

当然ながら弁舌にも優れていた訳ですが、なんでも夕暮れ時は人の心がまどろむらしく、そういう時間帯を狙って演説を行ったのだとか。

敗戦で苦しい立場に追いやられていたドイツ国民からしたら、こういう人が出てきたら支持してしまいますよね。

ただ行き過ぎた民族主義は、ホロコーストと呼ばれるユダヤ人に対する大量虐殺などの悲劇も生みます。

一方でイタリアは一応、第一次世界大戦では戦勝国です。しかし当初はドイツ側についていた事もあり、戦勝国としての恩恵には授かれませんでした。

そこで国家ファシスト党のムッソリーニが台頭。イタリアの首相となると、やがてエチオピアに侵攻し植民地としました。

ファシストとはファシズム支持者の事で、ファシズムとは簡単にいうと結束主義の事です。

まあここでは、分かりやすくいうと一党独裁ですね。

ヒトラーのナチスもそうですから、このムッソリーニのイタリアとドイツは自然と同盟を結ぶ事になります。

第二次世界大戦 勃発

軍事力を強化したドイツは隣国のオーストリアを併合します。さらにチェコスロバキアに侵攻。チェコを占領しスロバキアを独立させます。

1,939年5月22日、ドイツとイタリアの間で鋼鉄協約という実質的な軍事同盟を締結。さらに8月23日には独ソ不可侵条約が結ばれます。

そして9月1日、ドイツはベルサイユ条約で割譲されたダンツィヒの返還を拒否された事などを理由に、ポーランドに侵攻しました。

ショパン先生のポーランドです。ポーランドも隣国であるドイツに苦しい目に合わされていますね。

これを受けイギリスとフランスはドイツに宣戦布告。しかしアメリカから尻を叩かれてはいたものの、ドイツ軍と交戦まではしませんでした。

ポーランドとしても英仏の支援をアテにしてドイツに強気に出ていた為、少々思惑が外れてしまいます。

そうこうしている内に今度は東側からソ連がポーランドに侵攻して来ます。じつはこのソ連の侵攻は事前に独ソの間で密約が交わされていました。

しかし英仏はソ連に対して宣戦布告をする事は無く、程なくしてポーランドはドイツとソ連に分割統治されてしまうのです。

またソ連はエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国に侵攻。さらにフィンランドにも侵攻を開始します。

一方ドイツは1,940年に入ると、デンマーク、ノルウェーを占領。さらにオランダやベルギーに侵攻すると、オランダを降伏させベルギーとは休戦協定を結びます。

そしてついにフランスに侵攻。するとドイツ有利の戦況を見たイタリアも英仏に対し宣戦布告をします。

6月22日、フランスはドイツに降伏しました。

後はドーバー海峡を挟んだイギリスが抵抗するのみとなり、ヨーロッパのほとんどはドイツとソ連の支配下に置かれました。

独ソ戦

ドイツは島国のイギリスの攻略にやや苦戦していると、どの道こっちは後はイギリスのみとして、今度は狙いをソ連に定めます。

これはかねてからのヒトラーの野望だったロシアの植民地支配と、ヨーロッパ戦線においてソ連という懸念材料を除去するという目的がありました。

そして1,941年6月22日、不可侵条約を破り、ドイツがソ連に侵攻した事で独ソ戦が始まります。

ドイツは初めこそ破竹の勢いで進軍していきウクライナの首都キーウ(キエフ)を占領しますが、やがて冬が来ると極寒に対しての装備が甘かった事もあり、経験した事のない寒さの前に苦戦します。

またソ連は正規軍の他に「パルチザン」と呼ばれる民兵の集団が抵抗しドイツを苦しめました。

1,942年、ドイツは再びの快進撃を見せますが、スターリングラードの戦いで敗北。

このスターリングラード攻防戦を描いた「スターリングラード」という、狙撃手を取り上げた映画があります。

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1,943年も前半は優勢でしたが、11月には占領していたキエフもソ連に奪還されます。

一方、ドイツの同盟国のイタリアは、ドイツにとって大した戦力にもならずに連戦連敗の状況。やがてムッソリーニが失脚し、9月8日にイタリア新政府が連合国に降伏しました。

1,944年に入ると、900日近くドイツによって包囲されていたレニングラードが解放。長く包囲されて物資や食糧不足が起こり、このレニングラードでは人肉を食べて飢えをしのぐような事まで行われたのだとか。

さらに勢いづいたソ連は6月、バグラチオン作戦という大攻勢に出ます。もはや季節に関係なくソ連優勢の戦況を受けると、同盟国の寝返りも相次いで起こり、ドイツはいよいよ追い込まれていきます。

ドイツ降伏

ヨーロッパの東部戦線でドイツが追い込まれていた頃、西側でも連合国が攻勢に出ます。

1,944年6月6日、アメリカ軍が中心となりノルマンディー上陸作戦を決行。10万人以上の死傷者を出しながらも、フランスへの上陸を果たします。

スピルバーグ監督でトムハンクス主演の「プライベートライアン」という映画では、冒頭でかなり長い尺をとってこのノルマンディー上陸作戦を描いています。

生々しいシーンもけっこうあります。

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フランス上陸を果たした連合国はさらに進軍。8月にはパリを奪還。やがてフランス全体を取り戻す事にも成功しました。

一方、東部ではソ連軍がハンガリー、オーストリアと次々に占領。いよいよドイツ本国へ進軍します。ベルリンが包囲されると

1,945年4月30日 ヒトラー 自殺

5月8日 ドイツが連合国に降伏

第二次世界大戦のヨーロッパ戦線は終了しました。

その後は唯一抵抗していた日本も8月14日に降伏。

9月2日、日本の降伏文書への調印により、正式に第二次世界大戦の終結となりました。

ちなみに本来、原子爆弾はドイツに落とされるはずでしたが、いざ使用段階となる頃にドイツが降伏。唯一抵抗していた日本に落とされる事となりました。

ユダヤ人迫害の理由

ところで戦時中はナチスドイツにより、ユダヤ人に対する大量虐殺が行われています。

その辺の経緯を簡単にいうと、現在、世界三大宗教と呼ばれている宗教は、元々はユダヤ教という大きな宗教で、それが3つに分かれてユダヤ教、キリスト教、イスラム教となりました。だから三大宗教の聖地はみなエルサレムという訳です。

しかしローマ帝国との戦いに敗れエルサレムを追われ、世界中に散って国を持たない民族となります。どの国でも少数民族というのと、さらには裏切りの民族との偏見もあり、ユダヤ人は長らく迫害を受けていました。

ナチスのホロコースト以前から、ユダヤ人は嫌われ迫害を受けていたのです。

しかし19世紀に入った辺りからそういう事はもう止めようという動きが起こり、差別を受けながらもアイデンティティを守って来たユダヤ人は、抑圧から解放され各方面で活躍。ピカソなどの芸術やアインシュタインなどの物理学は有名です。

また、ろくな職業に付けなかった頃から金貸しなどで生計を立てていたので、そういった方面でも富を築いていきます。

「誇り高きゲルマン民族がユダヤ人から借金をして苦しんでいる」

ヒトラーは自らの支持率を高める為、ユダヤ人を貶める訳です。

まあ、一つの要因ですけどね。

ユダヤ人はある日突然財産を奪われ、隔離施設での生活を余儀なくされます。そこでも理不尽な理由で殺害されたり、特にアウシュビッツのユダヤ人収容所では、保健所の殺処分のようにガス室に送られ殺害されました。

大戦中のユダヤ人の被害者数はハッキリとは分からず、一説には500万人とも900万人ともいわれています。

ユダヤ人であるスピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」は必見ですよ。

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ただ日本がそうであったように、敗戦国だからと余計に悪く描かれている部分もあるのかもしれませんが…

戦争に勝った国が正義、負けた国が悪。そんな単純な話ではないですよね。戦勝国だってもれなく他国を侵略し略奪や暴行、虐殺だって行っているのですから。

本稿は受験勉強に役立たないので、学生の方は良ければ以下を参考に

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終わりに

いかがでしたでしょうか?

第一次世界大戦の敗北から苦しい立場となっていたドイツは、ヒトラーの台頭により周辺国への侵攻を開始。ヨーロッパのほとんどを占領するも、ソ連への侵攻で押し返されると、西側からも連合国が進軍。やがてベルリンが包囲されるとヒトラーが自殺。ドイツも降伏しました。

そして戦後、民主主義の国と共産主義の国とで世界は分かれ、長い冷戦の時代へと入るのです。

ちなみにその後のユダヤ人は、アメリカの主導で元々住んでいた土地へ返そうという事になり、二度とこのような悲劇が起きないようユダヤ人の国を作りました。

それが現在のイスラエルです。

エルサレムを国連の管理区域とし、そこを中心に東西へイスラエルとパレスチナに分けました。

しかしパレスチナからしたら領土を奪われた格好となります。

「元々住んでいたって、2,000年も前の話だろう」

パレスチナの抵抗で国境紛争が勃発し、イスラエルがそれを退けます。何度も何度もそれが繰り返されていく中でイスラエルは領土を拡大。

現在ではわずかなパレスチナ自治区が存在するだけとなっています…

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