731部隊 人体実験は真実?捏造?

明治~現代

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第二次世界大戦を語る上で、南京大虐殺と共に避けては通れない「731部隊」の論争。いやべつに避けてもいいんですが、逃げてると思われても癪(しゃく)だし、いずれにせよ興味深くもあるので取り上げます。

戦時中、731部隊では細菌兵器の研究が行われ、その過程で捕虜に対する非道な人体実験が行われたとの事で、その犠牲者は約3,000人に及ぶといわれています。一方で東京裁判では問題にならず、裁判により裁かれる事もありませんでした。

731部隊は単なる防疫給水部隊という説と、人体実験を行った悪魔という説で意見は真っ二つに分かれていて、現状ではどちらかに断定するのは困難な状況となっております。

いやはや…

部隊の概要

731部隊は旧満州のハルビンに本部を置き、支部を合わせると部隊員は約3,000名。正式名称は「関東軍防疫給水部」で、前線に飲料可能な水を供給する為の疫病対策などを目的としていました。石井四郎(最終階級は陸軍軍医中将)を本部長とし、京大や東大などから優秀な医者や研究者が約40名集められて中枢を担ったといわれています。

京都帝国大学医学部長の戸田正三氏は多数の大学関係者を731部隊に送り込んだといわれていて、その見返りに軍から多額の研究費を得ていたとされています。

医学部助教授の田部井和氏も731部隊から500万円を受け取りチフスなどの研究を行い、また京大医学部講師の吉村寿人氏は凍傷の研究を行いました。

そうして集められた者たちは技師と呼ばれ、軍医と同格に扱われています。

本部長の石井は頭脳明晰の自信家で、自身が開発した石井式ろ過装置でろ過した自分の小便を、隊員たちの目の前で飲んで見せたりしました。

しかし731部隊は疫病などの研究を行う裏で、当時すでに国際条約で禁止されていた細菌兵器の開発を行っていました。

安価で殺傷能力の高い細菌兵器が実用化されれば、資源や物資が不足気味の日本には大きな戦力になるという訳です。

裏の活動

そして細菌兵器の開発の為、ロシア人や中国人などの捕虜に人体実験を行ったといわれています。対象となった捕虜は「マルタ」という隠語で呼び、凍傷にさせたりペストやチフスなどに感染させたりして傾向を観察しました。人体実験で犠牲となった捕虜は約3,000人に及ぶのだとか。

そして戦争の末期、日本は敗戦必至の状況に追い込まれソ連が満州に侵攻してくると、731部隊は資料を燃やし施設を爆破し徹底的に証拠の隠滅を図ります。さらに施設内に残っていた数十人のマルタも殺害し、終戦2日前の8月13日に満州から引き上げました。

細菌兵器の使用も捕虜に対する迫害も、国際条約で禁止されています。

部隊員へは本部長の石井から箝口令が敷かれ、いざという時の為に青酸カリが渡されています。

石井は戦後、GHQに捜索され、葬式を偽装してまで行方をくらませましたが、けっきょく見つかり細菌兵器の研究に対する追及を受ける事となります。

ただこの時、アメリカは石井らが人体実験まで行っていたとは想像もしていなく、興味深い研究として情報を欲していたのでした。

しかしソ連は抑留されていた日本人捕虜から731部隊で人体実験が行われていた情報をつかみ、石井に対する尋問を要求して来ます。そして石井はアメリカと結託してソ連の尋問をかわすと、アメリカへ情報を譲渡する代わりに731部隊への追及免除という密約を交わしました。

これにより731部隊は東京裁判で裁かれる事無く、歴史の闇に消えたのです…

という創作となります

まあそれは半分冗談ですが、ちなみに石井は後に新宿区内で開業し、時には無償で診療を行い近隣住民に慕われました。

また731部隊の中枢にいた他の隊員も医学界の重鎮となりました。

ちなみに九州帝国大学医学部でもアメリカ人捕虜8名に対し人体実験が行われ、こちらは裁判でも認定されています。代替血液なるものの研究が主だったそうですが、アメリカとしてはべつにその情報はいらなかったのか、医師ら5名が絞首刑となっています。

731部隊に関する論争

このように731部隊の表の活動だけなら全く問題はないのですが、細菌兵器の開発やあまつさえその過程で人体実験まで行っていたとすれば、それはもう鬼畜の所業。そういった事実があったのかどうかが論点となっています。

しかし証拠の隠滅を図られるともはや証拠不十分で何とも言えないし、逆になんとでも言えてしまうんですよね。

731部隊に関しては東京裁判で裁かれていませんが、それも密約を交わした結果だといわれてしまうと、密約なだけに表ざたにはなりませんね。

ていうか当事者が口をつぐんでいる中、密約が交わされたという情報はどこから…

一方で数々の元731部隊員の人体実験を裏付ける証言があります。

取り敢えず検証材料を幾つか取り上げてみましょう。

人体実験などないという否定派の意見

  • 元ネタは悪魔の飽食という小説
  • 単なる防疫給水部隊
  • 東京裁判でも裁かれていない
  • 反日プロパガンダ説

人体実験はあったという肯定派の意見

  • 悪魔の飽食はノンフィクション
  • ハバロフスク裁判の結果
  • 数々の証拠と証言

主だった所を上げるとこんな感じです。

731部隊の悪行を描いた「悪魔の飽食」という小説がありますが、この中に使われた写真で一部、捏造があった事と、左翼色の強い赤旗(日本共産党の機関紙)に連載されていた事で、悪魔の飽食は現在ではフィクションと見られています。

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しかし作者はそれを否定。写真は捏造したのではなく情報の精査が甘かったとし、あくまでも史実と取材を基にノンフィクション作品として書いたと主張しています。

また小説によって明るみになったという訳ではなく、あくまでも世間に広く知られるキッカケとなったという事で、つまり作者の創作ではないという主張ですね。

731部隊員で東京裁判で裁かれた者はいませんが、先に上げたようにそれは情報提供による恩赦ともいわれていますし、普通に考えると全くの事実無根だからともいえます。

ただ731部隊は単なる防疫給水部隊という人は、もれなく南京大虐殺も否定します。しかし南京大虐殺は東京裁判では認定されています。つまり東京裁判の正当性を問う立場なので、人体実験の有無を東京裁判の結果で判断するというのは都合のいい解釈だといえますね。

密約があったかどうかはともかく、どうあれここは

「アメリカの意向次第でどうとでもなった東京裁判には意味がない」

と主張するべきでしょう。

反日プロパガンダというのは当然ありますね。共産勢力は日本を悪者にしたいのですから。

ハバロフスク裁判

昭和24年(1,949年)12月、ソ連のハバロフスクで行われた裁判で、731部隊の中枢にいた12名が裁かれています。

この裁判で軍医部長だった古都良雄氏が、マルタにチフス菌を注入した事などを証言。また軍医だった柄沢十三夫氏は裁判中、慙愧の念を述べています。

ソ連は旧日本軍100部隊第二部第六課も、731部隊と同様に細菌兵器の研究を行っていたとみていて、100部隊隊員だった平桜全作氏と三友一男氏が裁かれています。

ちなみに100部隊とは軍馬などの軍用動物の衛生管理が主な目的でした。

そしてソ連は改めて国際軍事裁判で731部隊を裁く事を主張。石井らを訴追する事を求めました。

しかしすでに人体実験の詳細なデータを得ていたアメリカは(諸説あり)このソ連の申し出を否認。ハバロフスク裁判はソ連に37万人いるといわれる日本人抑留者問題から、国際社会の目をそらす為のカモフラージュとして突っぱねました。

ハバロフスク裁判後、2名は服役を終え帰国し1名は収容所内で病死。昭和31年(1,956年)の日ソ共同宣言により残り9人の帰国が決定しました。しかし裁判で慚愧の念を述べていた柄沢十三夫氏は帰国直前に自殺。文字通り帰らぬ人となりました。

う~む…

このハバロフスク裁判も音声だけなのはおかしい、捏造だという主張がありますが、現在だって裁判の映像は基本的にはないですよね。

またこれらの証言は自白を強要されたものだという意見もあります。厳しい取り調べにより思わず自白してしまうというのは確かにあるようですしね。

刷り込まれたりして実際にやったと思いこんでしまうケースまであるみたいです。

「お前がやったんだろう、吐いて楽になれよ…」

バンッ!!

数々の証拠と証言

ハバロフスク裁判以外でも元731部隊員による数々の証言があるのは事実で、この辺も有力な肯定の材料となっています。

14歳で731部隊に入隊したという三角武氏や須永鬼久太氏が人体実験があった事を証言しています。

ちなみに731部隊には大学の医学者だけではなく、少年隊という見習いみたいな隊員も多くいました。

他にも元隊員の鈴木進氏や鎌田信雄氏、製造班だった田村良雄氏、伍長だった溝渕俊美氏、薬剤中尉だった目黒正彦氏らが人体実験やマルタの処置があった事を証言しています。

軍の機密事項なのだから、少年隊の人たちはそんな話をうわさに聞いただけだった可能性もありますが、部隊の中枢にいた人たちの証言もあります。

731部隊の悪行が捏造なら、この人たちの証言はなんなの?とは思いますね。加害者側で裁判でもないのに、今さら証言する必要もない立場で証言している訳です。台本でも用意されていたのだとしても、主にNHKがそこまでして捏造する理由もないですよね。

また1,992年にアメリカで機密指定解除により公開された資料の中には、人体実験でしか得られないような詳細なデータが多く含まれていたそうです。

ただこれらも矛盾しているものが多いとか、動物実験で得られたものという意見もあります。

また近年新たに公開された10万点にも及ぶ資料のなかにも、人体実験を思わせる証拠はないという意見がある一方、新たに発見されなかっただけですでに証拠は存在するという意見もあります。

このように731部隊に関しては何か証拠が出ると否定する意見が上がり、またそれに対して否定するという事が何十年も繰り返されている訳です。

この辺は本当に南京大虐殺の問題と同じですね。

元731部隊の中枢にいた陸軍軍医学校教官の内藤良一(元軍医中佐)が創業したミドリ十字には多くの731部隊員が就職していましたが、80年代に薬害エイズ事件を起こした事で知られています。

また昭和23年(1,948年)1月26日、帝銀事件で捕まった犯人はじつは冤罪で、毒物による殺人事件だった事から真犯人は731部隊の元隊員ではないかという説もあります。つまり適当な犯人をでっち上げて終わりにしたと。

いずれも731部隊との因果関係は不明のままです…

終わりに

いかがでしたか?

731部隊は戦時中、防疫給水の任務の裏で、細菌兵器の研究及びそれに伴う人体実験を行うという悪行が語られる一方、そんなものは全く存在せず、論ずるにも値しないという意見もあります。

またソ連のハバロフスク裁判では裁かれ、多くの元隊員による証言がある一方、アメリカによる東京裁判では全く問題になりませんでした。しかしそれも密約によるものであるという説もあります。

731部隊で人体実験が行われていたかどうかについては、タイムマシーンでも開発されない限りもはや誰にも断定はできないでしょう。だからこういう問題は「何が真実か」よりも自分が「何を信じるか」なんだと思います。

ただ731部隊がどうかはともかく、こういった事が行われていたとしてもおかしくはない時代でした。再びそうならない為には、都合のいい解釈だけして正当化するのではなく「歴史に学ぶ」姿勢が大事なのではないでしょうか。

ちなみに自分ですか?自分は皇軍の名誉を信じますとも!!

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