原爆投下の理由 アメリカの主張と建て前

明治~現代

原子爆弾とはウランやプルトニウムの核分裂反応を利用した爆弾です。人類史上最大の破壊力を持つ兵器で、現在ではもっぱら戦争の抑止力として見られ、実戦での使用は現状、広島と長崎に投下されたのみとなっております…って感じで

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太平洋戦争(大東亜戦争)の末期、いよいよ敗戦必至の状況となっていた日本は、特攻という体当たり攻撃まで行いました。特攻は確かな戦果を上げましたが、敗戦による責任を回避したい上層部の終戦工作は遅れ、日本に降伏を促す「ポツダム宣言」の受諾も保留。しかしこれは結果的に、原子爆弾投下の最後通告だったのです。

そして8月6日の午前0時30分過ぎ、原子爆弾「リトルボーイ」を搭載したエノラ・ゲイがテニアン島から飛び立ちました…

原子爆弾投下の計画

1,939年、ドイツからアメリカに亡命していたユダヤ人物理学者のアルベルト・アインシュタインから、原子爆弾の創案が記載された手紙がアメリカ大統領のフランクリン・ルーズベルトに届けられました。

これは「悪魔の方程式」などと呼ばれたりしますが、この事からアインシュタインが原爆の開発者のように思われているようです。しかしアインシュタインはあくまでも創案をまとめたものを提案しただけで、実際の開発は後に設立された科学者のチームで行われています。

とはいえアインシュタインは20世紀最高の物理学者で知られていますが。

1,942年6月、ルーズベルトの指示で「マンハッタン計画」が始動。原爆の開発に動きます。

ちなみに原子爆弾の開発は当時、アメリカやイギリスの他にもソ連やドイツ、また日本も着手しています。

そして1,945年7月16日、人類初の核実験が行われ成功しました。いざ実戦投入となればアメリカ国内でも賛否が出ましたが、いずれにせよ連合国に抵抗していたのはすでに日本だけ。無人島に落とすなどという案も出たようですが、そんな事で済ます訳もなく、自ずと原爆使用の対象は日本に向けられます。

7月26日、アメリカは日本に対して降伏を促す、全13ヶ条からなる「ポツダム宣言」を発表。日本がこれを無視した為、アメリカはそれを原爆投下の大義名分としたのでしょうが

「ポツダム宣言を受諾しないと原爆落としちゃうよ~」

などという警告は当然ながらありませんでした。

  • 大都市である事
  • 軍需工場が多い事
  • 大規模な空襲を行っていない地域

などの理由から、原爆投下の第一候補は広島に決定。

当日の天候次第では小倉が第二、長崎が第三の候補に上げられました。

広島と長崎に投下

昭和20年(1,945年)8月6日、広島の天候は良好。

8時15分、広島上空を飛行するエノラ・ゲイから「リトルボーイ」と名付けられた原子爆弾が投下されました。

この時にエノラ・ゲイから、あの象徴的なキノコ雲が撮影されていますが、その下の広島市内はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図となっていました。

爆心地付近の温度は3,000度以上となり、鉄は溶け人間も一瞬にして消滅。1キロ圏内は火災で壊滅状態。被爆した約60%以上の方が当日の内に亡くなったといわれています。2キロ圏内にも火災は広がり、さらには爆風により建物は吹き飛び、火災や瓦礫の下敷きとなり多くの方が亡くなりました。

黒焦げになった死体や吹き飛ばされてボロボロの死体をよけながら、即死を免れた方たちは訳も分からず安全な場所を求めてさ迷います。

熱線を受けた体は表面の水分が一瞬のうちに蒸発し、皮膚は爛(ただ)れてその下の神経がむき出しになります。もうボロボロになった衣服だか爛れた皮膚だか分からないものをぶら下げ、火傷した皮膚が擦れないようにしながらヨロヨロと歩きました。

激しい渇きを覚え水を求めて川に飛び込みますが、そこには力尽きた方たちの死体が浮いていました。

眼球が飛び出したり、千切れた腕をもう片方の腕で抱えていたり、死んで動かなくなった子供を抱く女性もいました。

これらは被爆者の方たちの証言を基にしたものですが、臭いの記憶が残っているという方もいらっしゃいました。人が焦げたような腐ったような、何とも言えない臭いが漂っていたそうです。

そして地表から巻き上げられた熱気は上空で冷やされ、粉塵と放射性物質を含んだ黒い雨となって降り注ぎます。

火傷で亡くなった方が多いのですが、放射線による被ばくによって下痢や嘔吐、また歯茎などからの出血や脱毛の症状が出ました。またしばらくすると体中に、内出血による紫の斑点が現れました。

原爆投下のその年だけでも10万人以上の方が亡くなったといわれています。生き残った方も火傷の跡が残ったり被ばくの影響に怯え、いわれのない差別にも苦しめられました。

そして8月9日、長崎にも原爆が投下されます。こちらは当初の目標だった小倉が悪天候だった為に長崎に変更。「ファットマン」と名付けられた原子爆弾が投下され、広島と同様の惨劇が繰り返されました。

こちらでも約7万4千人の方が亡くなったといわれています。

原爆による死者数は諸説ありで、影響が数年間に及べばもう正確な数字は当然ながら分かりません。広島、長崎、合せて約30万人ぐらいは原爆が原因で亡くなっているのではないかという説もあります。

ポツダム宣言 アメリカの思惑

我々は戦争終結の為、アメリカが仕方なく原爆を使用したなどと教えられたりしています。しかしそれはいささか間違いのようです。

原爆にはプルトニウム型とウラン型があって、核実験で成功していたのはプルトニウム型。広島に投下されたのがウラン型で、長崎に投下されたのがプルトニウム型です。

なぜ2発落とす必要があった?

アメリカは原爆を実戦で使いたくてしょうがなかったのです。

原爆の威力を実験ではなく実戦で試したかったし、アメリカの力を世界に示したかったのでしょう。

大戦の終結後に世界をリードするのは我々だと。

実験していないウラン型を先に使用したのも、万が一2発目の計画が頓挫したとしてもいいようにでしょう。

降伏を促すポツダム宣言も日本が到底飲めないような条件にしています。間違って日本が

「あ、じゃあ分かりました」

などと受け入れてしまったら、原爆を使う口実が無くなってしまうからですね。

具体的には天皇制の維持です。これを保障しなければ日本は受け入れないだろうから、元々はあったポツダム宣言の条項からその項目を外したといわれています。それに関してはその後の交渉でという訳です。

「天皇の立場が保障されないなら受け入れられない」

として日本はポツダム宣言を無視。そして原爆の事には触れていないのにも拘らず

「警告はしましたからね」

としてアメリカ国内の反対派の意見をも押し切り、思惑通り原爆の投下を決定するのです。

仮に戦争終結の為だったとしても民間人を狙ったのだから納得はできないけど、もしそうだとしたなら百歩譲って仕方なしとしましょう。確かに日本の上層部も保身に走り戦争を長引かせましたから。

しかしそうではないのは明白。むしろ戦争を長引かせたのは、原爆を使用したかったアメリカの方ではないかとさえ感じてしまうのです。

あんなものを人間の頭の上に落としておいて、なにを正当化してんだと。

それに戦後、広島入りしたアメリカの医療チームは熱心に診察こそ行いましたが、被ばく者に対し、ろくな治療もせずに帰ったといいます。

こんなもん人体実験じゃないですか。

「安らかに眠ってください、過ちは繰り返しませぬから」

日本人は謙虚だよね。卑屈なのかな。要は戦争をしたから原爆を落とされた訳なので、戦争という過ちは繰り返しませんという意味なんですかね。

その志は立派ですよ。しかし過ちが原爆の使用でもあるのなら、それはアメリカに言いましょうよ。

なにがリトルボーイだ、なにがファットマンだよ。ふざけた事いってんじゃねーよ。

アメリカ好きだったけど、もう嫌いになりそうですよ。

まあ、ちょいマックするけども。

広島と長崎の原爆投下を題材とした作品は良作が多いので、良かったら検索してみてください。

こちらも良かったら

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終わりに

いかがでしたでしょうか?

原子爆弾は世界に先駆けてアメリカが開発に成功。いつまでも抵抗を止めない日本に対して、戦争を終わらせる為に仕方なくアメリカが使用したという見方をされてきましたが、本当の所はただ実戦で使用したかったのです。原爆使用の大義名分を得る為にアメリカは色々と工作をしました。

ちなみに2,005年にTBSが、原爆の開発に携わりエノラゲイにも搭乗し、あのキノコ雲を撮影したという「アグニュー博士」を日本に招いて取材をしています。広島平和記念資料館で展示品の説明を受けたり、通訳を交え被爆者との対話が行われました。

アグニューは多くの民間人が犠牲になった事を告げられると

「誰もが戦争に貢献していたのだから罪のない者はいない」

非道な兵器を使用した事を言われると

「銃弾で死のうが原爆で死のうが同じ」

仕舞には「申し訳ないなどとは思わない、謝罪もしない、リメンバーパールハーバー」などといって、原爆の使用を正当化していました。

慰霊碑に設けられた炎は、世界中から核兵器が無くなった時に消えるのだという説明を受けると

「その前にガス欠になると思うよ」

もうこいつ拘束してやればよかったのに。

この人の立場だったら謝罪したくないのは理解できるよ。ただじゃあ何しに来たんだって。こんなの謝罪しろって空気になるに決まってるじゃんよ。俺がこの人の立場だったら金もらったって日本になんか来ないよ。

TBSもよく呼んだな…

本稿は受験勉強には役立たないので、学生の方は良ければ以下も参考に

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