【日本神話】国譲り そして神武天皇の誕生

古代~室町

ようこそ当サイトへ

根の堅洲国から戻ったオオナムチはスサノオとの約束を守り、出雲国を平定しさらに国土を広げ、新たにオオクニヌシと名乗ります。地方の有力者も仲間にすべく、その娘たちと婚姻を結び地盤を固めていきました。なにげにモテるオオクニヌシでしたが、正妻のスセリビメは面白くなかったようです。

まあ、一夫多妻の時代とはいえ、ねぇ…

前回に引き続き、神話の世界をお楽しみください。

今回で日本神話編は最後となります!

出雲国の発展

オオクニヌシは兄神たちの嫉妬で大変な目に合いましたが、けっきょく因幡国のヤガミヒメとも結婚して子を儲けます。

しかしヤガミヒメは正妻のスセリビメを恐れ、生まれたばかりの子を木の俣に挟んで国に帰ってしまうのです。その子が木俣神と呼ばれるようになったのだとか。

各地の姫たちと婚姻関係を結ぶ中ではスセリビメの嫉妬もありましたが、やがてはお互いに分かり合い、現在でもお二方は出雲大社に仲睦まじく鎮座されていらっしゃるとの事です。

国も発展し何柱(神を数える単位)もの子が生まれた頃、高天原ではアマテラスが自分の御子に地上の国を治めさせる事を決定し使者を送ります。

アマテラスさんも中々に横暴だな。

しかしその使者は三年帰らず、次に送った使者は八年も音沙汰がありませんでした。そこで次にはいかにも強そうな刀の神、タケミカズチという使者が送られます。

国譲り

タケミカズチは出雲の地に降り立つと

「アマテラス様の御子が国を治めるよう決まったが、どうか」

と、オオクニヌシに問います。

当然ながらこれは断る事のできない雰囲気。

そこでオオクニヌシ自身は返答を保留し、それについては自分の息子たちが答えるとタケミカズチに告げます。息子のコトシロヌシはその話を承諾しますが、べつの息子であるタケミナカタは反抗しタケミカズチの腕をつかみました。

するとそのタケミカズチの腕が氷の柱になりすぐに刀に変化。タケミカズチは怯んだタケミナカタを投げ飛ばします。

おお~、さすが刀の神…

するとタケミナカタは逃げて逃げて逃げまくり、ついに信濃国で追い詰められると命乞いをして完全に服従しました。

出雲から信濃か…。ずいぶん逃げたな~

これを受けオオクニヌシも国を渡す事を告げますが、代わりに立派な宮殿を建てて欲しいと頼みます。それはスサノオとの約束なのでした。

ちなみにあっさりと話を承諾したコトシロヌシは、七福神の恵比須様として日本各地に祀られ、現在でも親しまれていますね。

決して争わなそうな見た目の福の神です。

一方、抵抗を試みたタケミナカタは、観念した地である信濃の諏訪大社に祀られています。

タケミナカタからすると少々恥ずかしい感じですが、この時のタケミカズチとの力比べが日本の国技である大相撲の起源になったとの説もあります。

そう考えると相撲の神様みたいなものですね。

天孫降臨

そうしてアマテラスの孫、ニニギが地上を治める事となり日向国に降臨します。これが有名な天孫降臨。日向国とは現在の宮崎県の辺りです。

ニニギはやがてサクヤヒメという美しい娘と出会い嫁にしようとしますが、サクヤヒメからは

「親のオオヤマツミから返事をさせます…」

と、しおらしく告げられました。

体よく断られたのかと思いきや、そのオオヤマツミからは良い返事というのか

「サクヤヒメの姉のイワナガヒメも併せてお願いします」

というのですが…

しかしながらニニギは顔がひどいとかの理由で、イワナガヒメだけ帰してしまうのです。

「サクヤヒメは花のような繁栄」

「イワナガヒメは岩のように長く続く命」

を、それぞれ授けるそうなので、イワナガヒメを返してしまった事で、ここから神といえども人間なみの寿命となってしまったのです。

ちなみにイワナガヒメはこの事がショックで、伊豆の烏帽子山(えぼしやま)に引きこもってしまったのだとか。

う~む、イワナガヒメ…

やがてサクヤヒメは妊娠をします。しかしその早さからニニギは、自分の前に付き合っていた神との子だろうと怪しみました。

そこでサクヤヒメは

「あなたの子なら火の中からでも生まれる事でしょう」

と身の潔白を証明する事に。

これはニニギがアマテラスの孫で力が強い神だからという意味です。

サクヤヒメは小屋に入ると入口を塞ぎ、やがて産気づくと火を放ちます。

そうして炎の小屋で三人の子が生まれました。

ていうかそれではサクヤヒメは無事じゃ済まないだろうに…

大和へ

月日は流れ、その二人の間に生まれた山幸彦は、兄の海幸彦に借りた釣り針で釣りをしていました。

しかし、ある日その釣り針を海に落として無くしてしまうのです。そこで代わりに千本の針を作り渡しますが、海幸彦は怒り狂って許しません。

う~む、なんか神話って基本出てくる神のうつわが小さいんですよね…

山幸彦が浜辺で泣いていると、海から子船がやって来て潮の神であるシオツモが海の宮殿に送り出してくれました。

山幸彦はそこで海の神であるワダツミの娘、トヨタマヒメと出会いやがて恋に落ちます。

しばらくは海の宮殿の暮らしを楽しんだ山幸彦でしたが、そもそもここに来たのには理由がありました。そこで魚たちにも協力してもらい、失くした釣り針を探す事にします。

そして鯛ののどに引っかかっていた針を見つけると、山幸彦はその針を持って地上に帰っていくのでした。

その後月日は流れ、やがてトヨタマヒメは山幸彦の子を産む為に地上に上がって来ます。山幸彦に決して覗かないように告げると小屋の中に入っていきます。

しかし昔話にもよくあるように、当然の事ながら覗いでしまうフラグがバッキバキに立っています。

しばらくして気になった山幸彦がやはり中を覗いてしまうと、そこにはなんと生まれたばかりの子供と共に一匹のサメがいました。

山幸彦に見られた事に気づいたサメ(トヨタマヒメ)は慌てて海へ帰ってしまうのでした。

この時に生まれた子が母のいない自分を育ててくれた叔母と結ばれ、やがて四人の子が生まれました。その内の一人が後の初代天皇である神武様との事で、つまり神武天皇はサメとのクォーターとなるのです。

だが、それがいい…

成長した神武様は現在の宮崎県の美々津から東に向けて船出し、やがて大和を平定し神武天皇として即位されたのでした。

ちなみにこの時に大和へ道案内をしたのが、サッカー日本代表でお馴染みの八咫烏との事です。

お船出やニニギが降り立った場所、また黄泉の国から帰ったイザナギが禊祓を行ったのも現在の宮崎県です。なので宮崎は神話のふるさととしても知られています。

本稿は試験勉強に役立たないので、学生の方は良ければ以下も参考に

プロを指名出来るオンライン家庭教師

終わりに

いかがでしたでしょうか?

こうして天皇家の歴史が始まりました。

今回で日本神話は終わりになります。色々と設定が甘くツッコミどころ満載の日本神話でしたが、登場した神々は日本各地の神社に祀られています。ご近所の神社にどのような神が祀られているのか、調べて見ても面白いですよね。

しかしこういった面白い展開って誰が考えたんだろ?

いや考えたとかじゃないって!

実際の話…なんでしょ⁉

【Asteria】Z会のオンライン学習

日本神話の次は邪馬台国

邪馬台国前編

邪馬台国後編

コメント